大きな組織で得られるものと蝕まれるもの
今日はメモ代わりに単刀直入に書き殴ろうと思います。 ご容赦ください。
1,000億円以上の売上と50%以上の営業利益を、数百人で作り出す事業部門。
ここで私は何を得て何を蝕まれているのか?
というお話です。
得られるもの
大きく2つ。
①経済的貢献実感
私が今所属している組織では、単純に計算すると1日に3億円程度の売上を作っていることになります。
365日、毎日、休まず、3億円。
しかも半分以上が営業利益。
そしてそこには顔と名前が一致する範囲の人しかいません。
「売上作ってるな、日本経済に貢献しているな」
という実感は大きく得られています。
②社会的貢献実感
ToCのサービスを提供している部門のため、ユーザーを通じた社会貢献の実感もあります。
数千万単位のユーザーに新機能が受け入れられたときなどに、この実感は大きくなるのでしょう。
蝕まれるもの
こちらも大きく2つ。
①意思決定の量
とにかく意思決定の量が圧倒的に少ないです。 詳しくはイノベーションのジレンマなどに譲りますが、定量的なデータに基づいた保守的な意思決定が、上意下達で繰り返されます。
もちろん事業部門以外に目を向けると全社的なチャレンジなどは行われています。
一方で事業部門自体を全社のポートフォリオとして見ると、所謂「金のなる木」に該当します。 リスクをとったチャレンジや、仕掛けることで未来を作るような機会はほとんどありません。
②意思決定の質
残念ながらこれだけ大きな組織では意思決定の質も、とにかく低いです。
大きな理由は意思決定の量が少ない理由と同じですが、組織として意思決定の量が少ないことに慣れてしまうと、いざという時の意思決定の質が本当に低いなあと実感しています。
単純に数字を見て、大きな方を採用する。
競合が伸びてきて、慌てて対策を実行する。
これが意思決定だと認識されています。
個人的には「仮説に基づいて取れるリスクの幅を見定め、資源を投じること」が意思決定だと思っているので、ここに関しての違和感は非常に大きいです。
とはいえ
毎日毎日3億円という売上をひたすらに生み出し続けているわけですから、意思決定に携わる機会が少なくなってしまうのは、一定程度仕方のないことだと思います。
個人的には
言われたことを正確にこなす人間よりは、しっかりと意思決定ができる人間になりたいです。
ということで
そろそろ異動だな。というのが結論。 規模が少し小さくても、質の高い意思決定を頻度高く訓練できる場所に新天地を求めたいと思います。
思いつきの書きなぐり、失礼しました。
組織に関しては
こんなエントリも書いています。
正義について正面から語ろうじゃないか。
目次
- 目次
- 絶望は主観的な可能性だとすると、正義って何なのかしら?
- 社会性と経済性
- 図で整理すると
- できた4事象に概念を当てはめると
- いずれか一方か、両方かの大きな違い
- 正義を追求するとはどういうことか
- まとめ
- 考え事が趣味です。
絶望は主観的な可能性だとすると、正義って何なのかしら?
これに答えるのは難しい。
少なくとも答えは1つじゃない。
あなたにとっての正義があるし、私にとっての正義があるし、それぞれにとっての正義がある。
このうち、私にとっての正義についてはある程度お話できるようになりたい。
今日はそんなお話です。
社会性と経済性
約30年という時の流れを経た私にとっての正義は、
「社会性と経済性の最大化」であると(いったんは)定義しています。
- 社会的に「良い」行いをすべきだけど、それによって次の世代の選択肢を奪わないだけの経済性は必須である
- 経済的に「高い」価値を追い求めるべきだけど、それによって人本来の良い行いを損なうべきではない
このように考えるからです。
図で整理すると
まずは縦軸に経済性をとります。
要は儲かるか儲からないか。
次に、横軸に社会性をとります。
これは社会的に良い行いかどうか。
これを軸に色々な物事を考えてみます。
できた4事象に概念を当てはめると
左下
まずは左下。社会的に良くない行いで、経済的にも儲からないゾーン。
ずばり、不毛と名付けます。
右下
次に右下。社会的には良い行いであっても、経済的には十分な対価を得られないゾーン。
搾取とでも名付けましょう。
・「安くて良い品」を追求しすぎて人を蔑ろにしてしまった飲食店
・インターンという隠れ蓑で大学生を喰い物にするITベンチャー
・社会性超特化の既存農業
などが相対的に当てはまります。
左上
次に左上。一定程度の経済性は担保できていても、社会性には疑問符が付く領域です。
年老いてから後悔する(してほしい)領域なので後悔と命名します。
・極端には詐欺などの犯罪
・fiduciary dutyの概念を忘れた金融業
などがここに位置します。
右上
最後に右上です。この領域は良い行いをしながら経済性も担保する、そんな領域です。
まっとうに、社会に福利をもたらし、還元としての利益を享受する。当たり前であるようで実は一番難易度の高いゾーンです。
私にとっての正義という意味で希望と名付けました。
いずれか一方か、両方かの大きな違い
社会性と経済性を軸に正義を語ろうとしたときに注目すべきポイントは、
・社会性か経済性の一方を追いかけるのか
・社会性と経済性の両方を追いかけるのか
という点です。
これは非常に、非常に大きい。
社会性だけを追いかける
簡単です。
「自然に優しい」でも「動物愛護」でも「無農薬」でも、とにかく社会的に良い行いを行えばいい。
経済性に目を瞑ることで社会性に振り切って生きている人をたまに見かけますが、よく考えてみるにその生き方の難易度は高くありません。
なぜなら、経済性との両立を目指さないから。
儲からなくて良いのです。ともすれば経済性の獲得を悪とみなす場合もあるくらいに。
ここでの問題は明白で、次の世代が同じ社会性の獲得を目指さない可能性が多分に存在することです。無農薬農家の息子や娘が無農薬農家になりたいと願うとは限らず、飲食チェーンの社員の子供が飲食チェーンに努めたがるとは限りません。
そして、選択肢を広げるためには(幾分残念ながら)経済性が不可欠です。
そのように考えると社会性に振り切ることのリスクが見えてきます。
その選択は、次の世代の選択肢を奪うことにつながっていませんか?
そう問いかけたくなることが、たまにあります。
経済性だけを追いかける
簡単です。
「詐欺まがいの不動産営業」でも「弱者につけ込んだ情報商材」でも「まがいものの宗教」でも、とにかく経済性を追求すればいい。
社会性に目を瞑ることで経済性に振り切って生きている人をたまに見かけますが、これもよく考えてみるにその生き方の難易度は決して高くありません。
なぜなら、社会性との両立を目指さないから。
挙げたのは極端な例ですが、どんな企業も少しはグレーな部分を持っていて、少しは社会性を蔑ろにして経済性を獲得しているはずです。
これは程度の問題で、相対的な問題で、どの程度社会性を犠牲にし、どの程度経済性を犠牲にしているかという問題だと思っています。
両方を追いかける
途端に難易度が上がります。
できる限り社会性を犠牲にせずにできる限りの経済性を獲得する。非常に難しいことです。
一方で、ここにこそ正義が存在すると信じたいです。
社会的に良い行いをして、利益を得る。そしてこれを追求する。
繰り返してしまいますが、私はこれを正義と定義しています。
正義を追求するとはどういうことか
社会性と経済性の両立を正義としたときに、
・その両立とはどのような概念か?
・上のグラフで右上を目指すとはどういうことなのか?
を考えてみます。
①規模の話
1つは簡単に規模の話だろうな、と思っています。
より多くの利益、より多くの社会的幸福、その両立。
これを追求するには規模の経済性を存分に利用できる大きな組織が望ましくて、各分野でトップの企業や組織がその使命を担っている、または担うべきであると信じています。
逆説的にはその分野でトップまたはそれに近い位置にいないと、社会性と経済性の両立などという絵空事に耳を貸す人は少なくなってしまう気がします。
②自分ごと
もう1つは自分ごとであるかどうかです。これは、規模とは全く異なる基準です。いかに自分の近くでその成果を実感できるか。これが意外と重要だと考えるようになりました。
ありきたりな例ですが、遠くで誰かが結婚する場合と自分の娘が結婚する場合を考えてみてください。
ありきたりな例ですが、遠くの誰かが亡くなる場合と自分の親友が亡くなる場合を考えてみてください。
どちらが「大きな」出来事でしょうか。
結局のところ人が実感できる物事の大きさは、人が考えるほど大きなものではなく、または絶対的な大きさと同じくらいには身近さを尺度として持っているのでは無いでしょうか。
正義が主観的であるという前提に立つならば
冒頭に、
あなたにとっての正義があるし、私にとっての正義があるし、それぞれにとっての正義がある。
と書きました。
これに従って正義を主観的なものと考えるならば、その尺度もある程度主観的なものであるはずです。
ので、正義の追求とは規模×自分ごとの組み合わせであると、私は今考えています。
より大きな規模で、より身近なところから社会的福利を提供し、これに対して対価を得て次の世代に繋げていく。
私にとっての社会性と経済性の追求はこういったことかも知れません。
まとめ
最後に、今日のお話を短くまとめます。
正義とは:社会性と経済性の両立である
両立とは:規模と自分ごとの追求である
以上です。
長々と失礼しました。
考え事が趣味です。
つらつらと考え事をして、たまに文章に書き起こしています。
https://u1005.hatenadiary.jp/entry/2019/12/04/173558
https://u1005.hatenadiary.jp/entry/2019/05/16/201813
https://u1005.hatenadiary.jp/entry/2018/08/27/143434
https://u1005.hatenadiary.jp/entry/2017/01/20/121846
https://u1005.hatenadiary.jp/entry/2016/08/19/223014
https://u1005.hatenadiary.jp/entry/2016/06/01/165126
【75品くらい】経済学を学ぶサラリーマン大学院生が2019年にAmazonで買ったもの全部
2019年にAmazonで買ったもの
全部を振り返ってみました。
ジャンル分けせずに時系列で並べてみたら、見えてきたものがありました。
- 2019年にAmazonで買ったもの
- 2019年1月
- 2019年2月
- 2019年3月
- 2019年4月
- 2019年5月
- 2019年6月
- 2019年7月
- 2019年8月
- 2019年10月
- 2019年11月
- 2019年12月
- まとめ
2019年1月
・同級生が書いた本を記念に。
・講義で瀬戸社長の講演を聞く機会が。M&Aで大失敗している報道とは裏腹に実直な印象の講演でした。
・良い本なんだけど文字で見返すのが辛くて、漫画で記憶を補完。
・因果と相関、原因と結果を整理して理解することはお仕事でもすごく大事ですよね。
・経済学ゼミの副読本に。
・左利きのエレンは原作版がおすすめです。
・10億人がいて、ほとんどの人がスマートフォンを使っていて、日本よりデータを自由に利用できる環境が何を生み出すかというお話。
2019年2月
・ 限定合理性と情報の非対称性を前提にした情報の経済学、ゲーム理論の入門書。比較的平易なのでおすすめです。
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- メディア: Personal Computers
・一眼レフのSDカードを無くしてしまい慌てて購入。1,000円ポッキリ!
・筋トレしたり走ったりサーフィンした日とその翌日は必ず飲んでいるプロテイン。色々試したけど無難なところでザバスに着地。
・会社で多くの人が理不尽に感じること(ダラダラした会議、無能な上司、、、)が組織の経済学の観点から見ると意外と合理的だよねっていうお話。今確認したらAmazonでの評価4.9でした。読み物としても面白いのでぜひ。
・契約理論の前提である「市場(財貨やサービスの需要・供給の関係の全般)」について 。
・前述の「入門 ゲーム理論と情報の経済学」よりはやや難易度が高め。
・限定合理性と情報の非対称性を前提に置く前の、所謂ミクロ経済をさらっと復習。
・今まで人生で購入したどの本よりも厚く、大きい。辞書的に引きながら論文を書いた。
・「優秀」の定義って難しいですよね。
・巷で話題の行動経済学。その「すごさ」と「すごくなさ」がよくわかる1冊。しかもまんが。
・柔らかい髪用を愛用しています。
・髪が短いときはこれで何とかなっていた。洗い流しが楽なのにホールドしてくれるのが魅力。
2019年3月
・たまには本職であるマーケティング的な一冊を。確かに仕事できる人なのだろうけど、部下は大変そうな本でした。
・FMトランスミッターならこれが良いと思う。結構な時間をかけて探し、比較し、購入。接続も音量も悪くないです。
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・ITが生み出して進化させた「プラットフォーム」という概念を体系的に学ぶための一冊。
・最近日本に正式上陸したXiaomi。価格とスペックが全然釣り合ってない(褒め言葉)
・師曰く、論文では無いが論文的なものを読んだ気にさせてくれるハーバード・ビジネス・レビュー。とはいえアカデミックに盛り上がっているトピックの概略を知るには良いシリーズ。
・ゲーム理論とそれに伴う計算を学ぶには最高の1冊。おすすめです。
・学生時代から読んでいるNewsweekの平成特集。買っちゃうよね。
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2019年4月
・早稲田大学探検部、高野秀行の系譜。ほとんどの地が踏破された現代の地球で作者が追い求める「探検」。景色だけでなく、人間の内面の描写も素敵で読み応え◎でした。
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・Amazonの特集は読んでおいて損の無い内容でした。
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・前述のマンガとセットで行動経済学の基本を学ぼうとして買った一冊です。
・海外出張の多さに負けて買った一品。家電製品で今年のベストバイかも知れません。「充電器を充電する」という不毛な行為から脱せたので、精神的に本当に楽になりました。
・空白の5マイルに続いての角幡唯介。極夜の北極という暗闇と雪しかない状況で、ここまで読ませる本って書けるのか。。と驚きました。
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・確率や統計はこれから理解を深めたい分野の筆頭です。
・切り取り方の妙ですよね。
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2019年6月
・先に紹介した何冊かの本より実践的な1冊。問題集形式で学べるゲーム理論。
・私は柔らかい髪用が合っていました。
・資本論を読んでいたら教授から「学ぼうとする姿勢は良いが、方向が多分違う」と指摘、おすすめされた本。経済、資本、貨幣と、濃密な思考の変遷が味わえます。作者の半生を振り返りながらなので読みやすさも◎。
・マンガも振り返るとながーい歴史があるのですねー。
2019年7月
・好きです。patagonia。
・低刺激&お手頃価格。男性用の化粧水や乳液は刺激が強いものが多いですが、これはお肌に優しい感。しばらく使っています。
・親について、子供について。
2019年8月
・両親に頼まれて注文した一品。実家に返ったら漬物の保存に役立っていました
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- メディア: スポーツ用品
・トライアスロンやサーフィンに大活躍のGarmin For Athlete。最新の945に買い替えました。サーフィンのトラッキングはこんな感じです。
・愛用のガーミンを935から945に買い替えて、セットで購入
2019年9月
・恒例の海外サーフィン合宿に向けて。大袋を小分けして持っていくと税関で濡れ衣を着せられそうで、いつも小分けを買って持っていきます。
・ウイスキーのジャケ買いってあるのですね。(お酒は一切飲みません)
・海に入る用に。
・これまでなぜか読んでこなかった開高健。旅情がすばらしい本でした。
・MacがついにUSB-Cのみに。コネクタ必須ですね。。
2019年10月
・スニーカーに吹き付けておくと濡れないし汚れない!靴を買ったらまずはスプレーしましょう。
・頼まれ購入。個人的にはここまで容量必要ないと思っています。
・仕事と論文に挟まれて披露がピークに。効果は正直ほとんどわかりません!
・せっかく買ったUSBメモリ、アダプタを噛ませないと使えなくなってしまいました。技術の進歩の辛いところですね。
2019年11月
・髪が伸びてきたのでこちらに変更。使い勝手は良いですが減るのがちょっと早い気が。
・今年購入した数少ない文学系の本。内容は◯
・3冊目の角幡唯介。これもおすすめの1冊です!
・上野にこんな場所があったとは、、驚きとともに「俗」って大事だなあと再認識した一冊。
2019年12月
・論文も山場を超え「さあ読むぞ!」と意気込んで買ったハヤカワ・ミステリ。まだ読めていないのです。論文、、、
・退職する先輩へのプレゼント。
・経済学と脳科学のつながりを探しに。
ANESSA(アネッサ) アネッサ パーフェクトUVスプレー アクアブースター SPF50+/PA++++ さわやかなシトラスソープの香り 単品 60g
- 発売日: 2018/02/21
- メディア: ヘルスケア&ケア用品
・毎週海に入っていると、染めていないのに髪が金髪に。仕事で外部の方と会う機会も最近は多いので、せめてもの抵抗。
・シャンプーはいち髪のナチュラルケアシリーズがお気に入りです。
・タイトルがミスリード。「2015年までのメディア〜新聞を中心に〜」とでもしておけばいいのに。と思いました。
・2本目の論文に着手するにあたり、マッチングとマーケットを理解するためのはじめの1冊。
・効用、利得、インセンティブ、、、これらの根源を探る旅に。今年一番線を引いた本かも知れません。
まとめ
以上が、私が2019年に買ったものの全部です。
この1年で何を考え、何を感じてきたかがAmazonを通じて丸わかりですね。
怖いような、素晴らしいような。
来年はどんなものを買うんだろう。
きっと今年とは違うんだろうな。
そんなことを考えながら、暮れゆく2019年の残りを駆け抜けたいと思います。
それではみなさま、良いお年を!
インターネットの本質
愛が覚悟なのだとしたら、インターネットって何なのかしら?
IT業界も長くなってきたけれど、この質問にしっかり答えられる人間にあまり会ったことがない。
今日はそんなお話。
可能な限り短くまとめます。
- 愛が覚悟なのだとしたら、インターネットって何なのかしら?
- 一言で言うならば
- 高速化された結果?
- ①物質価値と情報価値の分離
- 物質価値と情報価値の分離はどこまで進むのか
- ②細分化と複雑化
- 身も蓋もない話だけれど
- 起承転結には欠けるけれども
一言で言うならば
情報流通の高速化。これに尽きる。
あらゆる情報の流通が高速化された。
高速化された結果?
情報に2つの変化が起こった。
①物質価値と情報価値の分離
②細分化と複雑化
一つずつ、なるべく短く書く。
①物質価値と情報価値の分離
これは巷でよく言われるとおり情報だけを切り出して流通させることができるようになった結果、前時代にはセットだった物質価値が切り離された。
代表的な例はニュースとCD。
どちらも情報価値がその価値の本質であったため、その媒介であった新聞や雑誌、CDそのものは売れなくなった。
一方で音楽のLIVEなどはその唯一性が再評価されて「CDが売れないことによる音楽業界の死」のような論調はあまり見かけなくなったように思う。
物質価値と情報価値の分離はどこまで進むのか
これは全人類が試行錯誤の真っ只中。正確な答えは世代が変わるまで見えない。
物質価値と情報価値の分離における試行錯誤の代表例はシェアリングエコノミー。物質を所有せずにその情報的利用的価値だけを消費しようという流れ。物質的価値に対する挑戦のように、私の目に映るときがある。
消費=所有という概念で育った世代がまだ多くを占める世の中では、所有と消費の棲み分けは完成せず、次の世代で完成を見るのだろう。それまで生きていられるといいな。
こうなると話はP/LとB/Sの話になって、資産化することの本質的な価値の話になる。
物質価値の本質が資産化であるとすると、個人にせよ法人にせよ世代を跨ぎたいものが、資産化すべきものの基準の一つになるのかも知れない。
話が逸れそうなので次にいく。
②細分化と複雑化
これは情報を発信できる主体が圧倒的に増えたことで前時代と比較して相対的に情報の細分化が進んだというお話。
細分化の結果複雑化が進んで、Google検索、ヤフーニュース、楽天市場など、プラットフォームとして情報をまとめることに価値が出た。今はこれの全盛期。
一方でいち情報あたりの価値は今もどんどん下がっていて、とくに代替が容易い速報系のニュースや型番商品などは絵に描いたような完全競争に突入している。
完全競争市場では理論上、超過利潤が発生する限り供給者が供給を続けるので、市場価格は限界費用に限りなく近づいてしまう。何が言いたいかというと徹底的に儲からない。
もちろん今挙げた市場が完全に完全競争であるわけではないけれど、独占と比較すると、そしてインターネット前の時代と比較すると、限りなく完全競争に近いところで競争が起こっている。
この傾向はまだまだ進むだろうから、代替可能な商品をせっせと生産する側に回るのは止した方がいい。
身も蓋もない話だけれど
これが恐らくインターネットの、そしてインターネットがもたらしたことの本質であると思う。
書くと当たり前なようだけど、理解している人は以外と少ないし、時代に対応して実践している人はもっと少ない。
だからこそこうやって整理してほぼ確実に到来する未来について考えを巡らせることが大事なんだ。
起承転結には欠けるけれども
こんなようなことを、いつもつらつらと考えています。
↓↓他にはこんなこと考えてるよ のご紹介↓↓
IT企業で全力で働きながらMBAに通って考えていること
金が無いのに「金なんて」とは言いたくないし、理解できないのに「価値が無い」とは言いたくない。
その結果、もといた放牧的な農業という場所を離れ、気づけばMBAそしてIT企業という資本主義の権化のような場所を歩いてる。
一方の資本主義に押しつぶされる形で一方の資本主義を中断するくらいに歩いている。
MBAではいかに効率的に資源を配分するかを学んでいる。
IT企業ではいかに効率的に既得利権をスイッチするかを毎日擦り切れるほど考えている。
そして、やっと、少しだけ見えてきた。
やっぱり方程式で解ける問題に、私にとっての本質的価値は薄い。
売上から費用を引いて利益が残って、残った利益を投資して、また売上を生む。
ビジネスにおける意思決定は、基本的には理論で説明可能な方程式をもって成り立っている。
理論の作り方は人それぞれだけど、説明可能であることは、資本主義における最低限の根拠として求められる。
でも、言葉にできなくて、それでもやりたいことがあってもいい。
やっと、そう言えるようになってきた。
風が吹いているのを感じること
良い波に乗ること
緑の匂いを嗅ぐこと
人と話し、触れ合うこと
どれもビジネスにとっては不要なことだけれど、人が生きる上ではとても大切なことだと、私はそう感じる。
ある人はそれを手触りだと表現する
ある人はそれを宗教だと表現する
ある人はそれを馬鹿にし、忘れ、嘲笑する
絶対的正しさを表現しやすい論理の世界から主観的で抽象的な感覚の世界を見るときに、色眼鏡をかけないのは難しい。
どうしても、怪しい。
でも少し考えると、絶対的正しさを表現しやすいという簡便性に拠って立った理論を振りかざす人々もまた、同様に怪しいのではないかということに、ある程度の理性性を保持したまま同意できつつある。
一方で私自身は資本主義を否定しない。
なぜなら資本主義は本質的には人を幸せにするためのイデオロギーだからだ。
封建主義時代に生きた人の幸せの総量が、資本主義時代に生きる我々より大きいとは考えにくい。
だから、精神世界に身を寄せてこの世界のほとんどを覆っている理論の世界から解脱しようとは思わない。
10年以上のモヤモヤを経て、
豊かさを追求する手段として資本主義をすべて受け入れる以外の方法を考えることに対して、
逃避の手段としての消極的な何かを感じなくても良いことに、
自分の中で説明がつきそうだと感じることができはじめている。
言い換えるなら、逆算に基づいた理論的なアウトプットの追求だけでなく、自分自身のスタンスに基づいた「ありよう」を考え始められそうだと感じることができ始めている。
まだまだモヤモヤは続きそうだけれども、取っ掛かりのようなものが見えてきたので、メモ代わりに。
昔から考えごとが好きです
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酒を飲むことのデメリットを機会費用の観点で考える
簡単な計算だけど1年単位で見るとゾッとするよねというお話
- お酒、飲みますか?
- 飲む人と飲まない人の圧倒的な差
- 酔っ払うことの(ある側面における)本質的な意味合い
- 快楽と引き換えに失うもの
- そんなことはわかっている。気分転換も大事だ
- ちょっと計算してみる
- 極論だとは思うけれど
- 考えごとカテゴリのエントリ
お酒、飲みますか?
残念ながら自分は飲まない。体質的に合わないこともあって、社会人になってから10年近く、全くと言ってよいほどお酒を口にしていない。
飲み会やおつまみは大好きなので飲み会に行かないというわけではなく、単純にアルコールを摂取しない感じ。
飲む人と飲まない人の圧倒的な差
結論から入るとずばり「酔っ払う」ことが圧倒的に違う。飲み代なんて些末な問題だ。酔っ払うことの重大さは飲み代の比ではない。酔っ払うことが多くの人にとってお酒を飲む意味の少なくない割合を占めているだろうから当たり前なのだけど。
酔っ払うことの(ある側面における)本質的な意味合い
酔っ払うことの本質的な意味合いに「快楽に身を任せて現実を忘れる」ことがあると思う。辛い仕事、使えない部下や上司、不条理な決定。どうしても納得のいかないあれやこれやを、人は酔っ払うことでなんとか乗り切るのだ。
快楽と引き換えに失うもの
圧倒的に時間を失う。具体的には努力に割ける時間だ。
酔った人がランニングをしたり、単語を覚えたり、レポートを書いている姿が想像できるだろうか?
そんなことはわかっている。気分転換も大事だ
という人もいる。でも実際に習慣的にお酒を飲んで酔っ払う人の中で、どれくらいの人がどれくらいの時間を失っているかを計算しているだろうか
ちょっと計算してみる
週1回飲む。20時に飲み始める。22時まで飲む人の場合
・飲んでいる時間を除いても22時から25時の3時間は酔っ払って過ごしていることになる。(1時に寝て7時に起きると仮定)
・1年間では3時間×52週間=156時間を酔っ払って過ごしてる。
・簿記2級くらいは初学から学んで取得できる。
週3回飲む。20時に飲み始める。22時まで飲む人の場合
・同じく1日あたり3時間を酔っ払って過ごす。週3回飲むと週9時間だ。
・1年間では9時間×52週間=468時間を酔っ払って過ごしている。
・応用情報技術者くらいなら、初学からでも頑張れば取得できる。
休肝日は週1回、20時に飲み始める、22時まで飲む人の場合
・1日3時間×6日=週18時間
・18時間×52週=936時間
・改めて考えてほしい。3時間×6日×52週間だ。もはや何でもできる。
「晩酌はしますか?」
「ええ。週に一度は休肝日を設けています」
というやり取りの中に極端に言えば1年間で936時間が隠れている。
私なら本を読むし、レポートを書くし、ランニングをする。語学を学ぶ。もちろん本人の自由だけれど。
極論だとは思うけれど
これを10年続けたらどうだろう。もちろん酔わなかったからといってその時間をすべて何らかの努力に費やせるわけではない。
でも、酔っ払うことで努力できるはずだった時間を事前に放棄していることも事実だ。
機会費用という言葉があるけれど、少なくともこの機会費用は意識してもいいのかな?と思う年末年始の今日でした。
考えごとカテゴリのエントリ
考えごとが好きです。多分生まれながら。
お祭りに感じる違和感と嫌悪感の正体
お祭りの危機
地域のお祭りが加速度的に減少しているらしいですね。原因は担い手不足。少子高齢化や過疎化が進む日本社会において、特に地方のお祭りは存続が危ぶまれているようです。
私にとってのお祭り
私の地域にもお祭りがあります。8月の最終週に行われる夏祭りで、小さいながら山車や出店が出てそれなりに盛り上がります。
小学校中学年(10才)くらまいでは喜んで参加していた記憶があります。
お祭りに感じた違和感
小学校高学年になると、なんだか違和感をおぼえるようになりました。違和感というか嫌悪感に近い気もします。
いずれにせよその違和感はむくむくと育ち、私はあっという間に地域のお祭りに参加しなくなってしまいました。
ご多分に漏れず私の地域も子供や若者が減っていて、実行委員会のみなさんがわざわざ家まで参加のお声がけに来てくださったことも1度や2度ではありません。
でも、私は頑なに参加しなかった。
時が経ち、あの頃の気持を整理するために今文章をしたためています。
お祭りにおける役職
話は変わりますが、お祭りにはさまざまな役職が存在します。
私の地域では若者頭を筆頭に副頭、会計、連絡係などその役割は細分化されていました。
とくに他の山車とのすれ違いや運行の交渉役を担う先鋒という役職は、私が属していたコミュニティでは英雄視されていました。
提灯を片手に笛を吹きながら運行の先頭で道路を封鎖したりする役職者の目には誇りが宿っていた気がします。
いくつかお祭りにおける役職について解説しているサイトを見つけたのでリンクを張っておきます。
若者連組織について |FEEL成田 成田市観光協会公式サイト
今になって思うのは
結局お祭りは地方在住の低〜中所得者の承認欲求を満たす場所なんだと理解しています。(主観です)
普段社会的に承認されることが少ない人たちが、擬似的にでも社会を作り出し、一時的にでも役職を定める場所。
普段は背負いたくても背負うことのできない責任を、擬似的にでも作り出し、一時的にでも背負う場所。
その証左に若者と言われる年齢を過ぎてもお祭りにコミットしている人間は地元に生きて地元を愛する、所得が低めのいわゆるマイルドヤンキーばかりです(主観です)
私が小学生ながらに感じた違和感や嫌悪感は、この疑似感に起因していたんだと思います。
大の大人が役職ごっこに夢中になっていることに対して、子供ながらに気持ち悪かった。
まとめると
地方のまとまりや鬱屈の発散先としてのお祭りは存続した方が良いと思う一方で、自分の子供に参加させたいかというと悩ましいところです。
小さい頃は純粋に楽しんでもらって、良き年齢で構造を伝えるといいのかな?
と考えています。
まっとうな社会生活の上で十分な社会的責任を果たし、日常生活の中で社会的な承認への欲求を満たしてほしいなあと願うのは、大人のわがままなのでしょうか。
本日はこれにて。